あなたは従業員に興味を持っていますか?
あなたは従業員に興味を持っていますか?
■はじめに
こんにちは、正木鉄工所代表の正木利明と申します。
今回も、私のコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
私の独り言のように書いているコラムも早いもので7回目となり、読んでくださっている方から感想をいただくと大変嬉しく思います。
取引先の方から「コラム読みましたよ」と言われると、嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な時もあります。
私は、どちらかと言えば恥ずかしがり屋の部分があり、自分の気持ちを素直に表現できないことが多いので、このコラムでは正直な素の自分を出していこうと思って書いています。
だからこそ、読みましたと言われると恥ずかしいと感じるのだと思います。
社長として社員に対して素直に言えなかったり、親としても子どもに対して素直な気持ちを伝えられない時があります。
かっこよく言えば、昭和の口数の少ない頑固親父のようですが、実際は照れくさくて言えないだけの時が多いです。
でも、言わなくてはわからないことが沢山あると思うので、コラムという形ですが少しずつ自分を表現していけたらと思っています。
このコラムでは、あなたは従業員に興味を持っていますか?というテーマでお話ししたいと思います。
今回もお時間があれば、少しだけお付き合いいただければ幸いです。
■阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝
会社経営をされている方ならご理解いただけると思いますが、会社は常に右肩上がりで売上が伸びていくわけではありません。
よい時もあれば、悪い時もあり、業績が下がった時こそ社長としてどう考え行動するかが大切です。
業績が下がった理由はどうであれ、全ての責任は社長であり、社員がどうだとか政治がどうだとか責任転換をしてはいけません。
先月、阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝をしました。
岡田監督が就任一年目の優勝は、まさに監督の力量であり選手を信じた采配の結果だと思います。
会社に置き換えるのなら、社員がやる気を出して仕事をして、頑張ってくれることが会社の業績に繋がるのです。
そんな環境を作るのが監督である、社長(私)の力だと感じます。
コロナも落ち着き、少しずつ経済も戻ってきていると感じますが、まだまだ手放しで油断はできない状態です。
弊社としても、数年後を見据えた改革を進めていて、できるだけ業績の波を作らないように努力していかなくてはいけません。
そして、岡田監督のように、社員の皆さんに気持ちよく仕事をしてもらえる環境を作ることが私の責務だと思っています。
では、どうしたら社員さんが気持ちよく働いてくれるのでしょうか?
■業績の良い会社の3つのパターン
会社の業績が悪くなる原因は沢山ありますので、一つに絞ることはできません。
しかし、その逆に業績の良い会社を見ると、3つのパターンがあると思います。
私が考える3つのパターンはこんな感じです。
【1つ目のパターン】
従業員さんが、仕事内容が好きで入社している場合。
この場合、社長や上司が過度にモチベーションを上げようとしなくても、仕事内容が好きで入社しているので、一定数の結果を出されます。
先程お話した野球選手のように、野球が好きでプロになったのでチームが変わっても環境が変わっても、好きなことなので結果が出やすいのです。
【2つ目のパターン】
その会社が好きで入社している場合。
元々会社のファンや、その会社に入社することがステータスの社員さんの場合です。
なので、頑張って結果を出さないとクビになってしまうので、何も言わなくても士気が高く必死に働いてくれるのです。
【3つ目のパターン】
会社の上司や社長が好きだから頑張るという場合。
この人の為に頑張ろう、この上司に喜んでもらおう、社長に認めてもらいたい、あの人の喜ぶ顔が見たい。
そんな従業員が多い会社は業績が良いと感じます。
この、3つのパターンの中に、1つでもあなたの会社は当てはまっているでしょうか。
■人たらし
よい営業マンとは、業績のよい社員とは、と言う問いに対してあなたはどう答えますか?
少しだけ考えてみてください。
私は、よい営業マンとは「お客様に好かれる人」だと思っています。
そして、何よりモテる男や、魅力のある人間は、比較的仕事ができる人と比例すると感じます。
他にも、あなたの周りに、誰にでも好かれる人っていると思います。
そうした人は、お客様、友達、会社の上司に好かれるので、業績が良かったり昇進が早かったりします。
以前、私は「営業は口説き」、と聞いたことがあります。
口説き上手は営業上手であり、同性、異性関わらず、人に好かれます。
口説くと言うと表現が悪いですが、相手に興味を持ち、相手のことを知ろうとすることで、相手の望んでいることを見極める力だと思います。
相手の望んでいることを知れば、物だけでなく、どんな言葉をかければ喜んでもらえるかを感じ取れるのです。
あなたは「人たらし」と言う言葉を聞いたことはありませんか?
「本当にお前は人たらしだなぁ」と言われることは、「お前はいいやつだなぁ」「俺はお前が好きだわ」と言われているのと同じなのです。
そう言う意味でも「人たらし」な人は、誰にでも好かれる存在ということになり、誉め言葉なのです。
■従業員のことを何も知らない
先日、経営コンサルをしている友人と話しをしました。
正木さん、最近お仕事はどうですか?と聞かれ、いや~中々厳しいですね~、とたわいのない話しをしていた時のことです。
彼が突然こんなことを聞いてきました。
「正木社長は従業員さんの中で、能力も高くてめちゃくちゃ期待している人っていますか?」
この質問に、私は数名の従業員さんの顔が浮かびました。
勿論いますよ!期待しているんですけど、中々もう一歩伸びなくてね・・・
すると彼が続けてこう言いました。
「では、その人の誕生日や好きな食べ物、趣味や家族構成は知っていますか?」
私は、ハッとしました。
その従業員のことを何も知らなかったからです。
「いや・・・全く知らないです・・・結婚していることは知っていますが・・・」
その人は、どんな車に乗っていますか?
子どもの名前は知っていますか?今何歳ですか?
ゴルフはしますか?
釣りは好きですか?
バイクには乗りますか?
私は何一つ答えられませんでした。
そんな私に彼は続けてこう言いました。
社長が大切な従業員さんに興味を持っていないのだから、従業員さんは社長のことを好きになりにくいし、社長の為に頑張ろうと言う気持ちにはならないのではないでしょうか?
先程書いた、「人たらし」の部分が、私に一番足りない所だったのです。
私より年下の彼は、偉そうなことを言って本当に申し訳ないと何度も謝ってきましたが、私にとっては本当に衝撃の一言でした。
自分が従業員に興味がないくせに、従業員には会社の為に頑張れ、会社を好きになれ、仕事を好きになれ、と言われたって無理な話です。
あなたも好きな異性がいたら、その人に喜んでもらえることを必死に考えるはずです。
こうして口説くから、相手もあなたのことを好きになのです。
■社長のご機嫌を取ると言うことではありません
私は大切な従業員を口説こうともせず、むしろ興味すら持たず、相手にばかり望んでいたのです。
弊社が業績を伸ばすとしたら、先に話した【3つ目のパターン】会社の上司や社長が好きだから頑張るという場合。
を作らなくてはいけないのです。
頭に数本の矢が刺さり瀕死の状態になった私に、彼はさらに続けます。
僕の友人の社長は、社員の誕生日に毎回ネクタイをプレゼントしています。
他にも、社員の誕生日に美味しいご飯に連れてってくれる社長もいます。
野球が好きだという趣味を知っていて、毎年野球のチケットをプレゼントしている社長もいます。
僕の息子の誕生日まで覚えていてくれて、息子の誕生日になると毎年プレゼントを送ってくれる社長さんもいます。
社長は従業員さんに感謝の気持ちを込めて何かやっていますか?
些細なことかもしれませんが、こんな事をされたら、嫌でもその人が好きになりませんか?
その人が何か困っていたら助けてあげようと思いませんか?
強い会社や業績の良い会社は、社員が一丸となって社長に喜んでもらおうとか、会社の為にと頑張っている所が多いと思うのです。
スポーツの世界で優勝するチームの選手にインタビューをすると、必ず「監督を胴上げしたかった」という声を聴いたことがあると思います。
これが強いチームの特徴なのです。
これは、社長のご機嫌を取ると言うことではありません。
お客様の為に頑張り、お客様が喜んでくれることで会社の業績が伸び、その結果、社長が喜んでくれて、最後に自分たちの給料に反映される、と言うことを知っている社員が多い会社こそ、業績を伸ばす強い会社だと思うのです。
これが、今の私に足りなかった事であり、そしてとても大切な部分だと感じました。
経営コンサルをしている彼は、あっさりと私の足りない所を見抜き、笑いながらサラッと大切なことを教えてくれました。
■最後に・・・
今回、正直言うと、このコラムを書くのを本当に悩みました。
私の足りない恥ずかしい部分を出すことになりますし、従業員さんに対しても申し訳ない気持ちになったからです。
でも先に話したように、少なくともこのコラムでは正直な私を見せていきたいと思ったので、今回はこのテーマで書かせていただきました。
それに、もし私と同じような悩みを抱えている社長さんがいたら、少しでも何かに気づいてもらえたらと思ったからです。
今回、経営コンサルをしている友人には改めて多くの気づきをいただきました。
言いにくいことを年上である私に言うことは、彼にとっても勇気がいる決断だったと思います。
私は、会社をもっと良くしたいと思いつつも、自分が何をすればいいのかわからず、従業員さんに求めてばかりでした。
しかし彼のお陰で何をすべきかが明確になりました。
返報性の法則と言う言葉があるように、自分が何もせずに相手に求めるだけではダメだということです。
小さな会社も大きな会社も関係なく、社長は社員に興味を持ち大切にする、上司は部下へ、部下は上司へ、そして社員はお客様を大切にする。
この連鎖が、きっと数年後に業績のよい会社を作るポイントではないかと思っています。
まずは私から変わっていきます。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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