正木鉄工所で作っている製品
正木鉄工所で作っている製品
■はじめに
こんにちは、正木鉄工所代表の正木利明と申します。
今回も、私のコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
2月になり、遠くに春の足音が聞こえてくる季節になってきました。
とは言え、まだまだ寒い日が続きますので、風邪などひかないように気をつけて下さい。
弊社の社員も寒い中で頑張って仕事をしてくれているので、本当に感謝しかありません。
物作りは、1人では完成しません。
それぞれの持ち場で、それぞれのスタッフが最高の仕事をした結果、それが組み合わさり1つの製品が生まれます。
その製品が、今日も日本のどこかで誰かのお役に立っていると言う誇りを持って、物作りをしていきたいと思います。
■正木鉄工所で作っている製品とは
今回、2回目となるコラムでは、弊社で作っている製品についてお話しさせていただきたいと思います。
実は、今まで正木鉄工所で作っている製品を公にお話しする事はありませんでした。
理由として、大手メーカーから仕事の受注をいただいている事で、その製品を弊社で製作していると言う事を言えないからです。
それは今でも変わりませんので、具体的な製品をお見せする事は出来ませんが、何を製作しているかと言う部分だけでも、お伝え出来れば思っています。
正木鉄工所で製作している製品は、フェンスの部材です。
あなたはフェンスと聞くと、どんなイメージをされるでしょうか?
実は、フェンスにはものすごく沢山の種類があります。
弊社で製作しているフェンスは、主に、防護フェンスと言われるものと、外構フェンスと言われるもので、大きく別けて約10種類のフェンスを製作しています。
防護フェンスとは、その名の通り、車道と歩道の間、池や川、海などの岸辺で子どもや車などの転落を防ぐ、電車の線路に人が入らないようにするなど、人の安全を守る為のフェンスです。
外構フェンスとは、建物と道路の境の部分、幼稚園や公園の周り、学校やグラウンドのブロック塀の代わりに使うようなフェンスです。
なんとなくイメージできますでしょうか?
他にも、山などからの落石を止めるフェンス、庭先を見にくくする目隠しの役目をするフェンス、野球場やサッカー場の周りにある高いフェンス、公園の階段などにある手すりのようなフェンスなど、その種類は様々です。
また、観光地などから景観を損ねないようなオシャレなフェンスをオーダーいただく事もあります。
色や形など、全てオリジナルで作るオーダーフェンスは、金型がありませんので、全て弊社の職人さんが手作業で作るのです。
鉄パイプをミリ単位で曲げ、綺麗に溶接をし、それと全く同じものを何個も作るわけです。
本当に職人の技で、見ていると惚れ惚れします。
こうして正木鉄工所で作られたフェンスが、日本のどこかで誰かを守っているんだと言う誇りを持って、製作させていただいています。
もしかしたら、あなたのお家の周りに設置しているフェンスは、弊社で作っているかもしれません。
もしかしたら、公園でお子さんがフェンスによじ登って遊んでいる、それは弊社で作っているかもしれません。
今日は、そんな気持ちでフェンスを見つけたら弊社を思い出していただきたいと思います。
■フェンスを作るようになったきっかけ
そもそも、なぜフェンスの部材を作るようになったのか。
そんなご質問をよくいただきます。
実は創業時、弊社は生産設備機械の修理をメインでやっていました。
色々な工場から機材の修理を受けていたのですが、その中に、現在もお取引をさせてもらっている、大手メーカーさんがいました。
今から約60年前、正木鉄工所の創業者である社長の技術力を、その大手メーカー様の社長が認めてくださり、これからの高度経済成長と共に、必ずフェンスの需要は高まる。
だから、一緒にフェンスの生産をしてみないかと言う話しになり、今に至ると言うわけです。
その大手メーカーは急成長し、官公庁、全国の県や市、JR、NEXCOなど、国やお役所、大手の会社から、どんどん仕事が入るようになり、現在、鉄製のフェンス業界では、日本でトップシェアとなりました。
正木鉄工所の強みは、オリジナルの機械を作り、修理が出来る事です。
その大手メーカーから、次はこんなフェンスがほしい、次はこんなデザインで作りたい、などの要望をいただき、フェンスを作りながら、フェンスを作る機械の製造もしてきたのです。
昔は、家を建ててもフェンスを使わず、ブロック塀が主流でしたし、鉄製のフェンスではなく木材を使ったフェンスばかりでした。
しかし、そうしたフェンスが地震などで倒れて怪我をされる事例が増えた事や、木材のフェンスが劣化して見栄えが悪くなる事で、鉄製の軽くて丈夫なフェンスが増えて行ったのです。
TVのニュースで、ブレーキとアクセルを間違えた車が海に転落せずにフェンスで守られたとか、落石がフェンスで止まり九死に一生を得たと言う映像を見ると、弊社が製作にかかわった製品が世の為になっているのだと誇りを感じます。
他にも、ドラマや映画のワンシーンでフェンスが見えると、これはうちが製作にかかわった製品だ!とドラマの中身以上にワクワクしてしまいます。
家族からは、半分病気だと言われますが、これが物作りの好きな私なのかもしれません。
■製作にかかわったフェンスは日本を2周している!
弊社は年間で約500kmのフェンスの部材を作っていますが、これは直線距離で、東京~大阪間とほぼ同じ長さとなります。
そして、創業時から今日まで、正木鉄工所として製作にかかわったフェンスは、日本を2周、地球を半周するほどの長さとなりました。
確実に言える事があるとするなら、あなたが今まで生きてきた中で、間違いなく正木鉄工所が製造にかかわったフェンスを一度は目にしていると言う事が、細やかな自慢です。
このような製造業は決して表舞台に立つ事はありませんが、必要不可欠な脇役として今後も日本のどこかで、あなたの生活を支えていけたらと思っています。
そして、私が引退するまでに日本を後1周はしたいと思います。
■口に出して十回言うと、夢は叶う。
私は子どもの頃から物作りが好きだったと前回のコラムでお書きしました。
その頃の夢は、飛行機の設計をしたいと思っていました。
飛行機と言っても、プロペラ機で、それを自分で設計し作ってみたいと言う夢を抱いていたのです。
勿論、今となっては現実的ではありませんが、今は動くものを作ってみたいと言う夢があります。
夢は口に出さなくては叶いません。
「叶」と言う字は、口に十、と書きます。
口に出して十回言えば、叶うのです。
遠い夢かもしれませんが、車やオートバイなど、動く物の製品を手掛けていけたらと思っています。
そして、いつかは光岡自動車さんのように、オリジナルのメーカーになれたら最高だと思っています。
■仕事をライフワークにしていくためには
あなたの仕事は、ライフワーク(Life-Work)ですか?それともライスワーク(Rice-Work)ですか?
ライフワークは、夢や自分の好きなことを追い求める仕事の事で、ライスワークは、ご飯を食べるための仕事と言われます。
正直にお伝えするなら、社員の多くはライスワークで仕事をしていると思いますし、ほとんどの人がライスワークだと言われます。
生きていくために、ご飯を食べるために、仕事をしているのです。
誤解をしてほしくありませんが、決してこれが悪いと言う事ではありません。
しかし、どんな仕事をしていても、それを楽しめる人は、ライスワークがいつしかライフワークへ変わっていくと感じます。
私はある大手の経営者さんが若かりし時、会社の上司から下っ端の社員に会社の草取りを命じられた時の話しを聞きました。
その方も、当時は下っ端社員でしたので、草取りメンバーの1人でした。
呼ばれた下っ端社員全員が、上司の聞こえない所でグチをこぼし、文句を言い合っていたそうです。
そんな姿を見た彼は、メンバー全員を集め、それを3つの班に分け、どの班が最初に決められた範囲の草取りを早く綺麗に終わらせるか競わないかと提案したのです。
勝った班は、負けた班からコーヒー1本をご馳走してもらえる。
そんな罰ゲームを作ったのです。
その結果、3班に別れた草取りメンバーは、絶対に負けないぞーと必死になり、一瞬で会社の草取りが終わったそうです。
そして、最後には草取りメンバーが全員笑顔になり、ゲラゲラと笑いながら仕事が終わったのです。
後に彼はその会社を辞めて独立し、現在は全国に支店を持ち、社員は600名を超える会社となりました。
■最後に・・・
どんな状況であっても、どんな環境であっても、その仕事を楽しむ事が出来る人こそ、人生を楽しめる人ではないかと思います。
手前味噌かもしれませんが、もしもあなたの大切な人が危険な目に合い、その人が自分の作ったフェンスで命が助かり、あなたのお陰で助かりましたと言われたら、この仕事に大きな誇りを感じる事と思います。
実際に、直接そんな報告を受ける事はありませんが、この瞬間も日本のどこかで誰かを助けて守っている製品を作っているのだと自負しています。
弊社に限らずどんな仕事でも、必ずどこかで誰かの役にたっています。
自分の夢や好きな事を仕事に出来なかったとしても、その仕事を好きになり、誇りを持って向き合う事が出来たらなら、私はそれだけで立派なライフワークだと思います。
弊社の社員がこのコラムを読み、1人でもライフワークになってくれたら嬉しく思いますし、この記事を読んでくれているあなたが、そう感じてくれたら大変嬉しく思います。
好きな事を仕事できるなら、それはとても幸せな事だと思います。
しかし現実的には難しい事も沢山あります。
そんな時は、得意な事を仕事にするとか、与えられた仕事を楽しくする、と考えてもいいのではないでしょうか。
あなたがこれからの長い人生を、少しでも楽しくお仕事が出来るようなれれば幸せだと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※今回使用したフェンスの写真は全てイメージで、実際に正木鉄工所で製作しているものではありません。
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