会社の業績を上げる中間管理職
会社の業績を上げる中間管理職
■はじめに
こんにちは、正木鉄工所代表の正木利明と申します。
今回も、私のコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
私は若い頃、SR400と言うオートバイをカフェレーサー風にして乗っていました。
あ、わかる人だけわかって下さいませ。
暖かくなってくると、そんなオートバイに乗って海沿いの道を走りたくなります。
香川には景色が綺麗な所が沢山あるので、オートバイでツーリングをするには気持ちのよい季節になってきました。
SR400は、結婚して娘(常務)が生まれる時に、バイクは危ないから売りなさいと奥様に諭され、弟である専務と一緒に泣く泣く売りに行ったのです。
しかし、そのバイク屋さんで80ccくらいのレーサー風バイクに一目惚れをしてしまい、私と専務が1台ずつ購入して帰り、奥様にこっぴどく叱られたのを思い出しました。
いい歳になった今でも、チャンスがあれば奥様の目を盗んでSR400に乗りたいなぁと思っています。
今思えば笑い話しとなりましたが、今回は私の実弟である専務のことについて触れたいと思います。
そして今回のコラムでは、会社の業績を上げる中間管理職とは、というテーマでお話ししたいと思います。
今回もお時間があれば、少しだけお付き合いいただければ幸いです。
■本社工場に紙町工場を統合
すでにご存じの方も多いと思いますが、今年の4月より紙町工場を本社のまんのう工場に統合しました。
この統合に関しては、昨年から正木鉄工所の改革計画を進めていて、その一つとして今ご覧になっているホームページの制作やコラムの執筆もありました。
そして何より正木鉄工所として大きな改革は、量より質を求める工場へ変化させることでした。
今まで作れなかった製品を作れるようになる、より精度の高い技術が必要な仕事の依頼をしてもらえる、そんな会社になっていきたいと言う想いが強くなりました。
コロナの影響も重なり、仕事の内容に変化がでて、今まで通りの仕事以外のことにも取り組まなければとの想いも要因の一つです。
今回、紙町工場の統合は前向きなダウンサイジングで、さらに言うと紙町工場の工場長として働いていた専務の力がどうしても本社に必要になったからです。
専務の技術力、仕事力、人間力、管理力等は、私に持っていない部分を全て持っていて、本社工場をより大きな組織にするために、専務が本社には必要不可欠な存在だと判断したことで、紙町工場と統合をすることにしました。
本社として新たな人材も募集し、そうした社員に高い技術を伝えてもらい、会社全体の底上げをしていくのが目的です。
また、組織を大きくすることで、人事や教育面に関しても専務が適任だと思ったからです。
今回は、そんな専務についても触れていきたいと思います。
■正木徳浩専務とは
正木徳浩(のりひろ)専務は、私の3つ下の実弟となり、昭和35年10月8日生まれのAB型で、このコラムを書いている現在(2023年6月)は、62歳で、最愛の娘さんが1人います。
子どもの頃は、犬、猫、リス、鶏など動物が大好きで、猫が飼っていた鶏を食べて大泣きした事件もありました。
学生の頃は、私と同じく物作りが好きなことから、ラジコンカーを走らせることや、ラジコン飛行機を作って飛ばしていました。
大人になった今も、車やオートバイが好きなのですが、又それとは全く違う一面の趣味も持っています。
それが、金魚の養殖です。
金魚と言っても、ランチュウという種類で、過去には県の大会で入賞した経験もある、金魚マニアでもあります。
いかつい見た目とは裏腹に、本当に優しい純朴な男で、小学生がそのまま大人になったような素直な人です。
お酒も飲みますが、お酒よりも甘いものが好きな可愛い部分もあり、そのために最近お腹が出てきてしまってタヌキみたいな体型が社員にも好かれていると感じます。
専務は、高校卒業後に正木鉄工所に入社しているので、実は会社内では私よりも2年先輩にあたります。
私が図面を書き、それを弟が形にする、という関係で仕事をしていました。
弟が入社した2年後に私が入社し、その23年後に私が正木鉄工所の社長に就任した時に、彼を専務に就任させていただきました。
弟ではありますが、専務の実力や技術は私が誰よりも認めていますし、現場の責任者として私の右腕になってくれるのは専務以外考えられなかったからです。
今でも、その判断に間違いはなかったと思っていますし、専務がいなければ今の正木鉄工所は無かったと本気で思っています。
■とにかくNOと言わない男
どけだけ忙しい日でも、どれだけ難しい案件でも、どけだけ納期が短くても、専務に仕事を頼むと嫌な顔一つせずに受けてくれます。
仕事を頼む私のほうが、今回は無理かな・・・と思ったことでも、何とかしてくれる頼もしい男なのです。
専務という立場になった今、部下に仕事を頼めばいいのに、彼の優しさと責任感の強さがゆえに、部下を帰らせて遅くまで一人で仕事をしていることも多々あります。
とにかくNOと言わないのが専務の魅力の一つです。
専務と言う立場で60歳も超えれば、ふんぞり返って仕事をしている人も多いかと思いますが、おそらく誰よりも働いているのが専務です。
そして専務になった後、社員に対してさらに腰が低くなったと感じます。
人がよすぎる性格が専務の魅力ですが、社員に厳しくできない部分あるほど優しいので、たまにはビシッと言ってほしいなぁと思うのが私の本音だったりもします。
■会社の歯車を噛み合わせてくれる男
会社とは先輩や責任者が部下に仕事を教え、ミスや失敗をすれば、その尻ぬぐいをするのが上司の仕事だと私は思っています。
しかし、そんなミスが増えれば上司に叱られますし、叱られるのを嫌がりミスを隠したりするなんて話しもよく聞きます。
どんな仕事も、クライアント様との信頼関係で成り立っていて、一つのミスが大きな損失になることもあるので、ミスや失敗は減らしていかなくてはなりません。
今までであれば、私が会社全体を見ていたことで、ゆっくり社員と話しをする時間もなく、どうしてもガツンと言ってしまい社員が委縮してしまう時もありました。
しかし、優しい性格の専務が来てくれたことで、社員は自分のミスを素直に打ち明け、専務もそれを叱ることなく、ちゃんと向き合って話しを聞いてくれるので、現場の雰囲気がとてもよくなりました。
子どもの頃から、私よりも友達も多くて人気者でしたし、優しく誰にでも何にでも物怖じしない性格も、頼られる部分だと思います。
私と専務は、お互いに持っていない部分を補い合っているような2人だと改めて感じるとともに、専務が本社に来てくれたことで、今まで以上に歯車が噛み合う会社になってきたと感じます。
社長と社員の間に立ち、クッションのように衝撃を受け止め、社員の意見に耳を傾け、それを上手く私に伝えてくれる。
実弟ではありますが、自分に厳しく、誰にでも優しく温かい性格で本当に素晴らしい男なのです。
会社の業績を上げたいと思った時、当然社長としての采配も大切ですが、専務や常務など中間管理職の力もとても大切です。
社長として、まずはこの中間管理職にどう気持ちよく働いてもらうかが、明暗を分けると言っても大袈裟なことではありません。
社長という肩書があるからこそ、私の一言は意味のある言葉になりますし、社員の士気を高めるのも落とすのも一瞬です。
だからこそ、ここぞという時だけ前に出るようにしなければ、全て私が管理しなくてはいけなくなります。
大きな会社の場合、社員さんが社長と会ったことがないような所もあります。
それでも中間管理職がしっかりしていれば、会社は大きくなっていくのです。
ある意味、会社とは中間管理職が作っているとさえ思うし、そんなポジションにいる人は、もっと自分に自信を持ち、優しい気持ちで部下に接してみてください。
社員さんが会社のために働くと思うのではなく、上司であるあなたのために働きたい、と思ってもらえたら、その会社はきっと素晴らしい会社になると感じます。
■最後に・・・
もしもあなたが中間管理職と言う立場なら、社長から降りてくる言葉と、部下から上がってくる言葉に挟まれ、苦しい時もあるかもしれません。
しかし、最後に考えることはたった一つで、それは会社としてどうすれば業績が上がるかということです。
業績を上げるために必要なことは、何を差し置いても社員に気持ちよく働いてもらうことが最優先です。
気持ちよく働いてもらうといっても、おべんちゃらを使ってご機嫌を取るとか、残業をさせないようにするとか、闇雲に給料を上げるということではありません。
彼らの意見を尊重し、会社としての方向性とすり合わせ、仕事を楽しくさせてあげるとこです。
そして社員が気持ちよく働ける場所を作るのが、中間管理職の仕事で、その結果会社の業績が上がるのです。
毎日遅くまで残業させたり、社員を叱るばかりだったり、厳しいだけの上司は権力で人を動かしているだけです。
そうではなく社員を家族のように捉え、自分の子どものように接し、ミスをした時は尻を拭いてやり、成果を出した時は一緒に喜びちゃんと評価してあげる。
そんな上司がいたら、きっと会社は大きく飛躍していくと感じます。
歴史を遡ってみても、民から慕われ強い将軍には必ず力のある参謀がいます。
あなたが社長であれば、まずは信頼できる参謀を作り、あなたが中間管理職であれば、気持ちよく働いてくれる部下を作ることだと思います。
今回は弊社専務の話しになりましたが、人の上に立つポジションにいる人は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉があるように、部下に対しても頭を垂れる稲穂になってもらえたらと思います。
そして、あなたが部下の立場にいるのなら、会社が自分に期待している以上の結果を出し、上司に一目置かれる存在になってください。
そして、私自身もそうなれるように、これからも日々勉強していきたいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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